イベント参加報告
2017年学会・研究会・セミナー参加報告
JRC2017参加報告
2017年4月13日(木)~16日(日)横浜市パシフィコ横浜を中心に開催されたJRC2017に参加した.
私の中でのJRC2017の目玉は超高精細CTであった.ITEMでの展示,先行研究における超高精細CT 関連の演台群と期待しての横浜入りであった.ITEMでは超高精細CTはAquilion Precisionとして実機展示されており,周囲は黒山の人だかりで皆の関心の高さが表れていた.実機の説明も他の人の説明に便乗して何とか聞くことができた.今回のITEMは史上最高の人出だったそうで,確かに移動するにも苦労したほどであった.すいている時間を選び予約をして見学すべきだったと反省した.実機を見ての感想としては,いたって普通のCT装置といった感じで,ONEの時に体軸方向の幅の広さに驚かされたといったインパクトは無かった.ある意味内に秘めた凄さを誇張しないCoolなCT という感想であるが,今後CT検査の概念を変える歴史のスタート地点にいるのだということを実感し,凄いことであると改めて事の重大さを認識した.高精細CT演題群では,Z軸方向の再構成間隔が既存の間隔では正しくプロファイルが得られないなどパフォーマンスの高さ故の問題点も報告され性能評価についても見直しが必要であることが示唆された.今後は臨床での報告も多数されてくると思われ期待したい.
今回の演題の中で最も印象深かったのは,339体軸方向の解像度変化を考慮した信号雑音比による逐次近似応用再構成の評価(宮城県立がんセンター後藤光範他)であった.FBPでは再構成関数によりZ軸方向に信号量が線形に変化し,スライス面内のCT値の高低と相関しているため信号量が変わらずSNRは再構成関数を変えても変わらないが,逐次近似応用再構成を使用するとこの関係性が線形とならないためSNRが変わってしまうことがあるという報告で今まで疑問に思っていたことがクリアに説明されており新規性,合理性がありとても良い演題だった.逐次近似応用再構成の評価をするときは,評価をするタスクの設定が重要であることを再認識させられた.
今回のJRCでは通常の活動の他,第64回関東支部研究発表大会関連の活動を行った.少し宣伝させていただくと2017年12月9~10日に第64回関東支部研究発表大会が山梨県甲府市で開催される.皆様が参加し満足していただけるよう現在準備を進めている途中である.是非CT関連演題を多数出していただき,甲府でCTについて熱く語りたいと思う次第である.
報告 山梨大 相川