2021年10月23日(土)に首都圏キヤノンCTユーザー会オンラインセミナー2021が開催されました.新型コロナウィルスの影響で,セミナーはWeb開催でした.現地で発表を直接聞くことができないのは残念でしたが,非常に有意義な時間を過ごすことができました.

セミナーは主に3つの内容で構成されており,「画論入賞:画論受賞施設からユーザーに向けた報告」と「AiCEを臨床で活用するためのコツ」,「特別講演:Spectral Imaging Systemの特徴と臨床での活用について」でした.

「画論入賞:画論受賞施設からユーザーに向けた報告」

心血管部門から2演題の発表がありました.

1つ目は,海老名総合病院の金原圭輔先生から「体循環と肺循環が絡んだ動静脈瘻 (マイクロカテーテルを用いた選択的動注造影)」という内容で発表をして頂きました.動静脈瘻がみられる患者に対して,血管造影を施行したそうですが,責任血管の同定はできませんでした.そこで,技師から医師へ動注による心電同期CTを提案したそうです.動注下なので,少量の造影剤量で検査を行うことができます.さらに再構成では内胸動脈や肋間動脈,さらにナイダスの描出のために,高周波成分を強調するFC52を使用したそうです.撮影画像は,心臓近傍のモーションが抑えられ,細血管が非常にわかりやすくなっていました.VRやMPRで病態や構造の把握が可能となり,治療方針が決定したそうです.

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(写真:横田先生(順天堂大学))

2つ目は,順天堂大学医学部附属順天堂医院の横田卓也先生から「胸部蔓状血管腫4DCTを用いた責任血管の同定」という内容で発表をして頂きました.胸部蔓状血管腫に加え,肺動静脈の異常吻合がみられた患者に対して,責任血管や異常血管の精査のために4D-CTAを施行しました.Dynamic Volume ScanのContinuous Modeで撮影していました.さらにZiostation2のPhyZio dynamicsで4D VRのノイズ低減処理,PATH機能で血管の描出をしていました.どの作業も,骨が折れる根気のいる作業であったそうです.

 

「AiCEを臨床で活用するためのコツ」

AiCEを臨床現場で使用していくためには,まずはAiCEの特徴を知る必要があります.最近,研究会や学術大会でAiCEに焦点を当てた内容の発表が増えてきています.今回は,AiCEの基礎編を虎の門病院の川内覚先生に,臨床編を杏林大学医学部付属病院の清水裕太先生にご講演頂きました.基礎編では,AiCE,FBP,AIDR 3D Enhanced,FIRSTをTTFやNPS,System performanceで比較検討していました.わかりやすく結果がまとめてあり,AiCEの物理特性の理解を深めることができました.臨床編では,AiCEを胸部や腹部CTに応用した場合の画質を検討していました.胸部でAiCEを使用した場合では薄いスライス厚でもノイズの低減ができ,腹部では高体重や低線量撮影でAiCEを使用することで画質が改善できるそうです.物理評価を踏まえ,さらに臨床画像を供覧しながらの発表でしたので,非常に説得力のある内容でした.

 

「特別講演:Spectral Imaging Systemの特徴と臨床での活用について」

特別講演では,東海大学医学部付属八王子病院の遠藤和之先生から,Spectral Imaging Systemに関する内容でご講演して頂きました.Spectral Imaging Systemは,Deep Learningを用いた新たなDual energy CTです.Rapid kV SwitchingとAECの併用が可能となり,さらにIodine MapやVNCa,実効原子番号画像などの作成ができます.臨床現場では整形領域はもちろん,CTガイド下生検でもSpectral Imaging Systemを活用しておられました.腫瘍の骨への浸潤の程度を,解析画像を確認しながら生検することで,より確実に生検ができるそうです.私自身の知見を広げることができ,Spectral Imaging Systemのさらなる可能性を感じた45分間でした.

 

今回ユーザー会に参加して,日頃の業務の中で巡り合う症例に全力を注ぐ姿を目の当たりにし,自身のモチベーションを高めることができました.また,AiCEやSpectral Imaging Systemの基礎的な部分や臨床での活用法を学ぶことができました.当院においても,今後使用することが増えてくると思います.臨床で使いこなせるように知識と技術の習得に励みたいと思います.

最後に,演者や座長の先生方,首都圏キヤノンユーザー会関係者の皆様,キヤノンメディカルシステムズスタッフの皆様に感謝申し上げます.

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(左から清水先生(杏林大学),工藤先生(順天堂大学), 小川先生(聖マリアンナ医科大学), 高木先生(千葉市立海浜病院),金原先生(海老名総合病院), 遠藤先生(東海大学八王子), 川内先生(虎の門病院), 小野先生(亀田総合病院))

順天堂大学医学部附属順天堂医院

川本圭晋