第77回日本放射線技術学会総会学術大会へ現地参加をしてきましたので報告します。

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今年のJRCですが皆様ご存じの通り昨年のWeb開催から発展し、現地開催とWeb開催のハイブリッドスタイルとなりました。現地参加できる人は現地へ、現地参加が困難な人はオンラインで、まさにこの1年間で発展したニューノーマルです。現地参加困難な人には様々な理由があると思いますが、今回はハイブリッド開催のため、従来は休暇や出張を取れなければ参加ができなかった総会・学術大会もオンライン参加が可能となり、オンデマンド期間も4月28日から6月3日までと長く、現地に行けない寂しさはもちろんありますが、これはこれで大変便利だと思いました。演者は当日現地参加できないことを考慮し音声録画したスライドも登録しなければならず、今回私も音声スライド作成を初体験しましたが、実際やってみますと結構難しかったです。会場(部屋)が狭いせいか、普段より声は小さく聞き取りにくい、さらに壇上のように「噛む」、やり直しをすれば良い話ですが、実際の会場を想定し一発録りで作成し今回は登録しました。当日私は現地参加できたため、その音声スライドが実際に使用されることはなくお蔵入りとなったのでひと安心でした。会場では現地発表者と音声スライド発表者の割合は半々という印象でした。音声スライドに対しては質疑応答がなく、現地発表の場合でも規定通りの質疑応答時間であったため、どのセッションもほぼ予定時間内に終了し、次のセッションの移動や準備も今までにないくらいスムーズだったと思われます。座席に関しても従来は3席隣り合わせを1組とし配置されていましたが、今回は1席1席に間隔が設けられていて、個人的には大変快適に過ごすことができました。

jrc2021_pic2一般演題はどのモダリティも深層学習に関係する演題が多い印象でした。CTはそれに加え低線量関連の演題が多く、深層学習は再構成に限らず、疾患に対する重篤化予測や異常検知、低線量に繋がる内容など、様々な発表がされていました。A.I.機能は我々の日常生活だけではなく、放射線分野、医療分野でも益々発展し、多くの検討がなされている現状を知りました。

講演に関しても同様のA.I.機能に関する話題が多く、その中からAiCEの活用による画質向上と低線量化について拝聴しました。常にこの関係はトレードオフの関係ですが、新たな再構成技術の登場により従来と同等の線量では画質の向上に、従来と同等の画質で問題がなければ線量の低減が可能となり、撮影の選択肢がさらに増加している中で、目的に対し最適化と正当化が重要であることを改めて学びました。疾患別、年齢別だけではなく、総合的に患者個人を捉え「個別化型の低線量CT」として運用していくという考え方が印象的でした。

画質や低線量に関する発表を聴く中で、何年か前の感情を思い出しました。それはちょうど「AIDR3D」が世に出回った頃のことです。再構成方法はFBP法が当たり前!!から変化していく時代でした。当時AIDR3Dの再構成時間は少々かかりましたが、今では当たり前のように利用され、処理能力も桁違いに速くなりました。この当時もFBP法と同等の画質であれば被ばく低減できるが、高画質で診断したい症例もある。そのためには目的に応じて使い分けていかなければならない。まさに今と同じような内容を聴いていました。時代は繰り返されるという言葉が合うわけではないですが、装置性能は益々進歩し、より患者に優しく、診断能が向上していくのであろうこの先の時代は、その度に多くの研究、検討が行われ、最適化と正当化を常に考えていく必要があることを認識しました。私も追いていかれないように頑張っていかなければと強く感じました。

 

そして現地参加といえばITEM。と思っていましたが、実はITEMもオンラインで参加が可能であったことを後から知りました。しかし現地では直接実機を見れる、触れる、質問ができるというところにメリットがあると思い、ITEM会場へ入場しました。

実際に入場しますと、例年より広い通路に人混みの少なさ。各メーカーのブース内もスペースが広く感じられました。今回海外製品を扱うメーカーでは新型コロナウィルス感染症の問題により、日本へ輸送できなかった展示装置もあったようで、開催に至らなかったメーカーも少なくなかったそうです。休憩スペースも多く確保されていましたが、いつものように飲み物が用意されている場所はありませんでした。しかしスペースが広い分、参加者にとってはソーシャルディスタンスをキープしつつ回ることができ、さらに展示も見やすく個人的にはとても良かったです。

jrc2021_pic3キヤノンブースは例年ほどではないですが、相変わらず混み合っており、参加者からの注目や関心の高さが伺えました。ブースに展示されていたCTはSpectral Imaging Systemが搭載されたAquilion ONEの「PRISM Edition」。この装置、きっとこれは実際に見た人だけが感じられることだと思うので、これだけ主張します。ツルツルのピッカピカです!今までの見た目とは大きく異なり、従来マット仕様だった装置がツヤ有のツルピカ仕様になっていました。添付した写真で伝われば嬉しいですが、触りたくなるような表面をしていました。この表面、どうやら傷もつきにくくなっているということで、現場では大変助かる仕様だと思いました。

 

 

jrc2021_pic4今回初めてハイブリッド開催となり、今後はこのスタイルが主流となっていくのだろうと感じながら参加しましたが、現地参加のメリットはやはり直接現場の空気を感じ、触れられ、テンションとともにモチベーションも上昇。そして質疑応答もリアルタイムで行うことができるところだと思います。現地参加したとしても、さらにオンデマンドで参加もできるため、聞き逃した内容やもう一度聞きたい内容をあとから自分のペースで視聴することができ、大変便利なシステムだと思いました。もし現地参加できなかったとしてもオンデマンドがあることで、活用方法によっては普段の現地参加以上の情報を得て学ぶことができ、従来の現地参加絶対型よりも、ハイブリッドスタイルは大変有用であるということを痛感しました。

 

しかしそれでもみんなと直接会いたい、お話ししたいと思う私は、今後もできる限り現地参加を選択していくのだと思います。どうかこの世の中が早く回復しますように!

亀田総合病院  小野雄一朗