平成最後のJRC,ITEMへ参加してきましたので簡単に報告させていただきます。

今回私は木曜夕方から金曜の夜会までの短い滞在でしたが、少しでも情報共有できればと思い、参加報告を書かせていただきます。

大会初日の木曜日、いつもは桜木町駅から歩いていましたが今回は久しぶりにみなとみらい駅で降りました。すると駆け上がるエスカレーターを間違え、目的地とは反対側へ。限られた時間を早速ロスしてしまいました。やっと辿り着いた会場は初日なのにもかかわらず座席はほぼ埋まり、壁沿いには立ち見する参加者も多くいました。

完全英語化されたスライドもだいぶ見慣れてきた。と言いたいところですが、実際は日本語プレゼンを聞くことでやっと理解している私です。しかしそんな英語スライドにも徐々に変化が?と思いながら聴講させていただきました。

英語スライドが義務化された当初、多くの発表者が日本語から英語へ直訳、といったスライドが多いように感じましたが、今回目にしたスライドは英語が苦手な私にも伝わりやすいレイアウト、英語表現に工夫されているスライドが多いように感じました。そのお陰か以前感じていた英語スライドアレルギーは徐々に解消されているように思えました。私が見やすいと感じたスライドは、日本語でも同様ですが、1枚のスライドの中で伝いたい言葉、ポイントなる一言をできるだけ短く、分かりやすい単語で表現されていて、スライドが切り替わる度に目が自然とその言葉に誘導されるかのような強調度合い、言葉だけではなく関係する図や表、画像だけ見ても伝わるよう工夫がされているスライドでした。

日本語発表でも英語発表でも、「伝いたい」という思いで作り込まれたプレゼンはやはり聴講者へしっかりと伝わるものだと今回改めて感じ、私も置いていかれないよう努力しなければと思わされた初日でした。

2日目の金曜は当然初日より参加者は増加し、朝から壁に貼り付けられた立ち見者が多く、会場内は熱気ムンムンでした。この日はDual-energy CTの発表、講演が1日中あり、その聴講者の多さから、日本の「Dual-energy」所有施設の多さを知れたように感じます。私もその中の一人と思いたかったのですが、昨年新しくAquilion ONEを導入したにも関わらずDual-energyが未搭載のため、参考までに聴講するつもりで会場へ向かいましたが、ゆっくりと聞けないその状況と天秤をかけ、ITEMが開場するとともにITEMへ足を運ぶことを選択しました。

ここからはITEMの報告をさせていただきます。

ITEM2019_ono_1もちろん真っ先に向かったブースは「キヤノン」です。混雑する前にと思い1番先に向かいましたが、開始10分そこそこですでに人で埋め尽くされていました。人をかき分け目にしたCT装置は今回2台(ONEとPrecision)でした。グルッと端から回ろうと思い、展示ブース端に向かうと今後CTを設置する際の「デモンストレーション用VR体験」(昨年もあったそうですが)がちょうどそこが空き、体験させていただきました。添付写真はその様子です。

 

ITEM2019_ono_2専用のゴーグルとコントローラでバーチャル体験ができるようになるわけですが、まずゴーグルをかける際に重要な顔用ガーゼ。たくさんの人たちが着用することを配慮し、この顔用ガーゼを使用することで、ゴーグルに直接肌が触れないようになっています。その上からゴーグルをジャストフィットさせ、コントローラを握り締めれば準備は完了です。このコントローラで自分の立ち位置を移動することができ、あとは自身がグルッと回ることでバーチャル内の周囲を見ることができます。これは今後実際にCTを導入したい・するという施設にどのような検査室や操作室内のレイアウト、スペースが必要かをイメージしてもらえるよう考案されたバーチャル体験だそうで、今回は2台のCTを両隣で並べて配置するケースも体験できるようになり、動きも昨年よりスムーズになったとのことでした。実際に体験するとつい夢中になってしまい、コントローラを握り締め、その場でグルグルと周り、ゴーグルを外した瞬間我に返り、若干恥ずかしくなるという目玉の展示物でした。(大して周囲から見られているわけでもないのに・・・)

次に見させていただいた新技術は「次世代三次元レンダリング技術”Global Illumination”(グローバルイルミネーション)」です。これはキヤノンのWS「Vitrea」に搭載できる機能で、より実物(臓器や血管、骨など)の色味に近い仮装三次元画像を作成し、そこに影を加えることにより、物体の形状や凹凸が視認しやすくなり、現場では有効活用されるのではないかとのことでした。実際の画像に触れてきましたが、今までのバーチャル感は消え、この画像処理に見慣れていない私にとって実物感が過ぎ、気持ち悪いというかそのリアルさが気味悪く感じました。しかし、言われるように臓器や血管の奥行がつかみやすく、臨床により直結した情報提供が行えるのかもと思いました。

その他は人工知能AIを搭載した再構成や診断などはキヤノンだけではなく、今回のITEMはどこのブースも目玉話題として多かったです。世間ではこのAIに徐々に仕事が奪われ、生身の人間が働ける場所がなくなるのではないかとも言われていますが、AIが発展することにより、わざわざ人間がやらなくてもよい面倒な作業をAIに託し、発想豊かな人間はAIに委託した分の時間を有効活用すれば、今までよりさらに良いアイデアや技術発展、撮影技術向上に結びつける時間を持つことが出来るのではないかと思っています。

CTに関しての歩みを振り返りますと、平成の時代はあっというまに多列化が進み、後半には複数のエネルギーを使い分けたり、単色化したり。そしてさらに高精細化された画像は、今まで目にすることができなかった領域までX線の世界で表現できるようになりました。この先しばらく人工知能AIが令和時代を支配すると思われますが、令和時代後半にはきっと、今では想像することもできないような技術や機能がJRCやITEMで発表されていることでしょう。平成最後のJRCはそんなことを思いながら、たった1日ちょっとの時間を有意義に過ごさせていただきました。

そしてもちろん金曜夜は定番の屋形船に揺られ、楽しいひと時を過ごし、そのまま鴨川へ帰宅し日常業務に戻りました。

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亀田総合病院 小野雄一朗