AZE2019_01令和元年6月29日、品川のキヤノンSタワーで行われたAZE展2019に参加をしてきました。AZE展とはワークステーションを使用した画像の臨床的な有用性を高め、最良の画像を生み出すことを目的とした画像展で、今年は10回目を迎えると同時にfinalとして、締めくくりの会として盛大に開催されました。今回のAZE展は新規応募した方が対象の『ニューカマー部門』と過去に応募したことがある方が対象の『マスター部門』にわかれ、計15作品が最終選考会でプレゼンを行いました。その中から最優秀賞、各部門賞、特別賞が選出されました。

 

今回私は偶然応募をしており、幸運なことにこの最終選考会に選出していただきました。「肺野病変に対するLung volume color mapの有用性」としてカラーマップを用いて淡く小さな病変の視認性を高めて検出能を向上させ、充実成分とすりガラス成分や周囲血管との区別を客観的にすることでサイズ計測を正確に行う手法を提案しました。また3Dでも同様のカラーマップでの表示が可能で手術支援画像としても提供が可能な方法として発表しました。先に言っておくと残念ながら賞の獲得はできませんでした。悔しさはありますが、各発表はどれも素晴らしかったので、納得の結果です。ここでは受賞したいくつかの作品についてご紹介したいと思います。

 

まず、ニューカマー部門賞を受賞した「脳腫瘍に対しての開頭術前IVRにおける2段階注入CBCTを用いた支援画像」です。従来の造影法では脳腫瘍の濃染がわかりづらかったところを4倍希釈造影剤に続いて原液造影剤を注入することで、腫瘍を濃染させつつFeederを濃く描出することが可能とのことでした。また各Feederから造影したCBCTをFusionすることでFeederからの腫瘍濃染領域の評価も可能とのことでした。MRIとのマルチモダリティでのFusionも行っており、大変わかりやすい画像提供を行っていました。内容もそうですが、プレゼンがとても素晴らしく、聴いていて楽しくなる発表でした。ワークステーションというとCT・MRIの画像を用いるイメージが個人的には強かったのですが、IVRでも有用な画像を提示しており、大変勉強になりました。

 

続いては最優秀賞を受賞した「下大静脈逆流に対するiNoirとオパシティ変動4D画像の有用性」です。こちらの発表はAZEのワークステーションの持てる力を余すことなく使用して有用な画像を作成しており、熱意をとても感じました。撮影体位の工夫や被ばく低減のために線量や間欠撮影などにもこだわっていました。線量低減によるノイズ増加に対してiNoir(DICOMベースでノイズ抽出・減算を行うAZEのワークステーションのソフトウェアだそうです)によってノイズ低減を行い、間欠撮影による4Dの見づらさを前後の位相データのオパシティを変動させながら補完画像として挿入することで、視覚的に滑らかなオパシティ変動4D画像を提供していました。このように得られた画像をよりわかりやすく表現するアイデアと努力には頭が下がりました。

 

これら以外の発表もスライドや画像のきれいさなどが目立ち、大変勉強になりました。内容も各施設の創意工夫が込められており、使用したことないワークステーションの機能なども知ることができました。どの発表も画像を臨床に生かすために技術や工夫を最大限に駆使しており、その姿勢を現地で感じることができ有意義な時間となりました。

 

発表前の緊張もあり、詳しい参加報告とならず申し訳ありませんが、発表内容は作品集や動画が後日掲載されるそうなので、気になった方はそちらをご覧ください。

 

AZE2019_02最終選考会終了後の情報交換会はSタワー28階で行われました。あいにくの天気ではありましたが見晴らしはよく、建設中の山手線の新駅『高輪ゲートウェイ駅』が見えました。職場は都心ではないのでついつい写真を撮ったりしてしまい、田舎者感が出てしまいましたが、楽しい時間となりました。

 

最後に、10周年をもってAZE展はfinalとなりましたが、ワークステーションに焦点をおき、他メーカーを使用してもOKというのはユニークで、キヤノンの画論とはまた違った会であったと感じました。私個人としては受賞を逃しましたが、学ぶことも多かったので、日々の臨床に生かしていきたいと感じました。

 

杏林大学医学部付属病院

清水裕太