12-TCTT01第12回東京CTテクノロジーセミナー学術集会が令和元年7月6日、「Dual Energy CTを極める」というテーマで、両国にあるKFC Hall & Roomsにて開催されました。

当番世話人は、筆者でもある私なので、多少プログラム紹介や参加報告の自画自賛はご容赦ください。

まず、冒頭の私の開会挨拶にて東京CTテクノロジーセミナーが発足してから12年目に入り、先日、当研究会ホームページをリニューアル(スマホ対応も含め、今まで以上に情報発信)したことをご報告させていただきました。

東京CTテクノロジーセミナー https://tokyo-ct.com/

 

共催メーカーによる製品紹介のあと、北里大学北里研究所病院の小林先生より、「ここだけは押さえようDual Energy CT 白書」というテーマでレクチャーをいただきました。Journal of Computer Assisted Tomography(JCAT)の中で、DECTの基礎原理に関する

内容をもとに、Material Decomposition Images (物質弁別画像)とVirtual Monoenergetic Images (仮想単色画像)についてわかりやすく解説していただきました。

本白書でのDECTの方式名は、①Dual-source DECT (dsDECT)、②Single-source helical DECT (helDECT)、③Single-source twin-beam DECT(tbDECT)、④Single-source sequential DECT (seqDECT)、⑤Single-source rapid-switching CT (rsDECT)、⑥Dual-layer DECT (dlDECT) に区分されていました。

 

続いて、メーカー報告による「各メーカー最新技術」ということで7社からご報告いただきました。アミン(株)からはRealizeテクノロジー、富士フイルムメディカル(株)からはAI技術のブランド LEiLI、キヤノンメディカルシステムズ(株)からはrsDECT方式の新しいSpectral Imaging System、(株)日立製作所からはW.I.P.のPhoton Counting CT、GEヘルスケア・ジャパン(株)からはAI搭載のEdison Platform、シーメンスヘルスケア(株)からはDE Bone Marrow等の最新アプリケーション、(株)フィリップス・ジャパンからはIQon Elite Spectral CTのSpectral Imaging 等について、限られた短い時間の中で、各社とも最新技術をわかりやすくご説明いただきました。

 

当初、会場の収容者数は過去の開催をもとに約300名を予定していましたが、徐々に参加者が多くなり、最終的には参加者数が444名となりました。ご参加いただいた先生方には会場設営にて大変申し訳ない気持ちと共に、これだけ多くの方々がDECTに興味を持っていることをあらためて感じました。そして、会場内は熱気に包まれながら、技術発表へとうつりました。

12-TCTT02 技術発表では、使用しているメーカーと症例部位が重複しないよう考慮しながら、4人の演者から、①担当部位におけるDECT(Spectral CT含む)の臨床的有用性、②撮影(造影)条件ポイント、③画像処理(解析)ポイント、④実際に有用だった症例提示 等についてご講演いただきました。

 

富山労災病院の野水先生からはBone Bruise Image(BBI)による不顕性骨折についてピットフォール等もふまえてわかりやすくご講演いただきました。東京女子医科大学東医療センターの福井先生からは肝細胞癌、膵臓癌、腎腫瘍、副腎腫瘍、イレウス等における造影剤低減やヨード(水)密度画像、脂肪(水)密度画像の有用性についてご講演いただきました。昭和大学横浜市北部病院の中井先生からはPEとDVTについてDECTを用いたアプリケーションや定量評価への試み、そして血栓の水分率についてもご講演いただきました。みなみ野循環器病院の望月先生からはSpectral Based Image(SBI)を用いた各種心臓CT解析について余すところなくご講演いただきました。どの演題もとても臨床的に意義がある内容で、かつ、プレゼンテーションもとても素晴らしく、本当に勉強になりました。

 

特別講演は、シーメンスヘルスケア(株)の伊藤先生から、「スペクトラル・フォトンカウンティングCTを理解する~DECTとの比較考察をまじえて~」というテーマでご講演いただきました。徐々に「フォトンカウンティングCT」という言葉を耳にする機会が増えていますが、あらためて何がどう違うのか? 現在、どこまで技術的にクリアされているのか? そういった様々な疑問に対し、Energy Integrating Detector(EID)とPhoton Counting Detector(PCD)といった検出器の物理・物性の比較や計測系のデータプロセッシングについてとてもわかりやくご講演いただいました。特にPulse Pileupへの対策や信号の読み出しを担うApplication Specific Integrated Circuits (ASIC)、 k吸収端イメージング等、個人的にもとても勉強になりました。

日頃、CTに携わっていると、ただスイッチを押すだけになりがちですが、その裏には多くのサイエンティストが多くの時間を費やした結果があるからこそ、今の最新CT装置があるのだとあらためて痛感しました。

12-TCTT03 学術集会を聴講し、新たに学んだこと、臨床ですぐに使用してみたいこと、新しい研究デザインの発想、頭の中はいっぱいいっぱいで興奮状態でした。この興奮状態を静める(癒す)ためにも、クールダウンは欠かせません。

ということで、両国の相撲茶屋 ちゃんこ江戸沢で懇親会が開催されました。懇親会は関係者を中心にセミクローズの会でしたが、多くの先生方ご参加いただき、交流を深めることができました。

やはり、講演をきくだけでなく、その話題について演者やそれに興味をもつ他の先生方とも一緒に話すことで、理解が深まるとあらためて思いました。まさにこれこそが、頭の「クールダウン」です。

但し、懇親会のあとも2次会、3次会、4次会、5次会と流れていった方々もいたような?? それは、「クールダウン」ではなく、翌日の「ウォーミングアップ」の始まりなので、くれぐれも家庭をもつ先生方は、家族から白い目を向けられないよう、個人の時間と体力が許す範囲で参加することが、長く続くコツかなと思います(自分に言い聞かせてます)。

 

来年の第13回東京CTテクノロジーセミナーは6月27日(土)に開催されます。

是非、皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 

順天堂大学医学部附属順天堂医院

木暮 陽介